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【ヒア・カムズ・ザ・サン】20年ぶりの再会をつなぐ隠された思い

ヒア・カムズ・ザ・サン(有川浩)

 出版社の編集である古川真也は、同僚・大場カオルの父・白石晴男が20年ぶりの帰国に立ち会うことになる。ハリウッドで働いているという晴男だが、真也には別の光景が見えた。真也には物に込められた思いを読み取る能力があるのだ。



書評


評価:☆☆☆☆☆

 出版社の編集である古川真也は、同僚・大場カオルの父・白石晴男が20年ぶりの帰国に立ち会うことになる。ハリウッドで働いているという晴男だが、真也には別の光景が見えた。真也には物に込められた思いを読み取る能力があるのだ。
 そんなあらすじから作者が書いた中編と、同じく脚本となり上演された演劇に触発されて作者が書いた中編が収録されている。導入時の雰囲気、構成、設定の活かし方は少し異なるのだが、一方を読んでいるときにはもう一方の設定を忘れさせるほどのエネルギーがそれぞれにあり、どちらも気持ち良くまとめられている。


「ヒア・カムズ・ザ・サン」
 こちらでは、真也とカオルは同期の同僚。小説誌の企画でカオルの父親を取り上げることになる。彼はハリウッドで大ヒットした映画のシリーズ構成を担当している謎の日本人・HALなのだ。
 しかし、20年間、音信不通であり、普通の父親らしいことをしてくれなかったHALに、カオルはなるべくならば会いたくはない。だが、HALがカオルに書いた手紙から圧倒的なまでの感情を感じ取った真也は、意外な真相を明らかにしながら、父娘の積年の思いを解きほぐす手伝いをすることになる。

 ちょっとライトな雰囲気から入り、徐々にへヴィーに、ディープになっていく構成に引き込まれる。本筋とは別に、作家と編集の関係について触れられたサブエピソードなどは、作者の思いを現しているようで興味深い。

「ヒア・カムズ・ザ・サン parallel」
 こちらでは、真也とカオルは結婚を間近に控えた恋人。そして父親はハリウッドの底辺にしがみつく、夢を手放せない脚本家になっている。
 同じく、関係が良好でない父娘の仲を、将来の義父に対する立場として取り持とうとするのだが、一人ではなかなか上手くいかない。前編に比べればまだ経験不足な面が見え隠れする。そのあたりは、周囲の大人たち、岩沼編集長や母親などがフォローしつつ、対話によって能力を補いラストに至る感じだ。

 当初はコミカルなタッチで入り、観客の興味を引くキャッチーな構成になっているのだが、娘に対する父親の思いは前編よりもある意味で深刻で、それと父親の言動とのギャップが読者をのめり込ませていく。分かりやすいところは分かりやすく、感動的なところは感動的に、という印象。

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